泣きたい夜には…~Hitomi~
「もうっ、静かにしてください、先生!!!!」
小野塚先生の妨害を撥ね退け、カルテの入力が終わった。
嘘……
5分で終えたよ。
新記録達成!!!!
なんて喜んでいる暇はない。
急いで帰り支度をすると、
「お疲れ様でした。お先に失礼します」
医局を後にしようとすると、
「浅倉、今日は本当にお疲れ様。モニター越しに見たわよ、見事な浅倉マジック。よく頑張ったわね」
滅多に聞くことのできない労いの言葉にじわりとくるものが……
「先生……」
必死に涙を堪える私に、
「まぁ、アタシの指導がいいんだから当然といえば当然よね?」
なんて、満面のドヤ顔でお約束とばかりに見事に落としてくれた……。
ははは……。
「はい、私なんかが小野塚先生に敵うわけがないじゃないですか。指導してもらった私が言うんですから間違いありません」
これはお世辞でもヨイショでもなく、本当のこと。
医師のスキルも経験も、まだまだ先生の足元にも及ばないのは事実。
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