泣きたい夜には…~Hitomi~
「だからこそアメリカに行くんでしょ?明日、いい返事を期待しているわ、それじゃ、お先!!!!」
先生はそう言うと、颯爽と医局を後にした。
「さぁ、慎吾が待っているから早く帰ろう」
慎吾の待つ駐車場に行ったけれど……
「いない」
車はあるが、慎吾の姿がどこにも見当たらない。
ま さ か ……
小野塚先生に拉致られたとか……
ありえないとは言い切れない。
でも、あの先生の場合、どこまで本当なのかがわからない。
「あぁ、疲れた……」
車に寄りかかり、しばらく慎吾を待っていると、疲れ切った表情の慎吾がゆっくりとした足取りで来るのが見えた。
「慎吾、遅い!」
慎吾は驚いたのか、
「お前、早くないか?」
目を大きく見開いた。
「省エネモードでカルテを超高速ブラインドタッチで打ち込みながら上司には報告して、引継ぎもしてきた。当然怒られましたが……。」
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