泣きたい夜には…~Hitomi~
奥さんは笑顔で頷いて、
「この子も……ひとみも頑張っているんですから私も頑張らないと、ですね?
先生、ひとみのこと、よろしくお願いします」
とても前向き発言なんだけど、
「へっ……?」
さっきからひとみひとみって……
私のことではないみたいですが。
「あの、ひとみというのは……?」
まさかね……
そんなことないよね?
あるわけないよね?
嫌な予感でいっぱいの私とは裏腹に奥さんはにっこり笑って、
「はい、娘の名前です。平仮名3文字で『ひとみ』にしました」
あまりの衝撃に、
えぇーーーっ!!!?
恐らく私の顔、ムンクの叫びのようになっているに違いない。
「香澄!いきなり言ったら浅倉が驚くだろ?ほら、固まってるよ……」
向井先生が奥さんの隣に腰を下ろした。
.