泣きたい夜には…~Hitomi~



そんな保証なんていらない。


私には慎吾以外考えられない。


今まで慎吾との間でそういう話は出たことがないけれど、いつかそうなったらいいかなとは思っている。


向井先生とのことでトラウマになっていることは確かだ。


だから多くは望まない。


慎吾の傍にいることができればいい。


それでいいんだ。


その後お父さんは、


『来週の金曜日、元気に帰国するのを待っているから』


そう言うと、電話を切った。


やられた……


タヌキ親父め。


医師ではなく、事務方で攻めてくるとは思わなかった。


悔しいけれど見事に撃沈された。


切羽詰まった慎吾も心配だけれど、


突然降って湧いた結婚話。


どこの誰ともわからない男と結婚だなんて……


「冗談じゃない!!!!」


とにかく反撃に出ないことには、どんどん話が進んでしまう。


向井先生のように。



.
< 227 / 286 >

この作品をシェア

pagetop