泣きたい夜には…~Hitomi~
「お前、何か誤解してない?彼女は取引先の人……それだけだよ」
確かにそうかもしれない。
でも、慎吾が私以外の女の人と話しているのが嫌なの!!!!
「すごい綺麗な人ね。優しそうで大人の女性って感じ。慎吾にはそういう人の方が合っているのかも」
慎吾に怒りをぶつけると、逃げるように自分の車まで走った。
「お、おい!!ひとみ!!!!」
慎吾が私を呼び止める声が聞こえたけれど、
立ち止まることもましてや振り返る余裕なんてなかった。
「後で、部屋に行くからな!」
その声も無視して車に乗り込むと、車を発進させた。
スーパーに立ち寄り、怒りに任せて次から次へと食材をかごに放り込んでいく。
「買いすぎた」
さすがにレジ袋大3袋分は多すぎだ。
今日に限ってエコバッグ忘れたから持ちにくいの何のって……。
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