フェイント王子たち
「もちろん、どうぞ」
3階なので見晴らしは大して良くないけど、日当たりは良好。ん〜、さっきのアパートとどっちがいいかなぁ。
「ここの良さは、壁が厚くて、隣の声や騒音が気にならないところですかね」
「へー」
「試しに壁を叩いてみますか?」
「壁を?」
「はい」
じゃ、叩いてみようかな。言われるがままに壁に近づきトントンと叩いてみる。
「あ、本当、なんかギッシリ壁板が詰まってる」
「でしょ。だから…」
ん?だから?高橋さんが、言葉を止めたので、壁を背に高橋さんの方を振り返る。