フェイント王子たち

さて、私も帰ろっと。
バスを待って、家に帰った。

「ただいまぁ」

「お帰り。雅子にちゃんと話聞いた?」

って母さん。

「聞いた、聞いた」

「何なのよ、その投げやりな言い方は」

「30越えたら、ちゃんと考えるから」

「30越えたらって…」

「晩御飯が出来たら呼んで」

と、部屋に逃げ込む。

「は〜」

川合と話してて、全然忘れてた。母さんが結婚の事本気で心配してるって事。何となく勢いで30って言っちゃったけど、ま、悪くないよね。

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