フェイント王子たち

それから徐々にお客様も増えてきて、私たちは店を出る事にした。

「じゃ、ま、なんかあったら、大吾の事頼むな」

と、会計しながら亮義兄さんがマスターに言った。

「ああ。任せとけ」

「あと、有栖ちゃんの事もな」

え?私?

「客の事に口突っ込まないスタンスじゃなくて、変な男に引っ掛からないように、お前ちゃんと見てやってくれよ。俺の大事な妹なんだからな」

亮義兄さん…。

「了解」

< 373 / 643 >

この作品をシェア

pagetop