フェイント王子たち
それから徐々にお客様も増えてきて、私たちは店を出る事にした。
「じゃ、ま、なんかあったら、大吾の事頼むな」
と、会計しながら亮義兄さんがマスターに言った。
「ああ。任せとけ」
「あと、有栖ちゃんの事もな」
え?私?
「客の事に口突っ込まないスタンスじゃなくて、変な男に引っ掛からないように、お前ちゃんと見てやってくれよ。俺の大事な妹なんだからな」
亮義兄さん…。
「了解」
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