フェイント王子たち
それにしても、試写会に集まりつつある人たちは、若い女の子の割合が多い。恋愛物なんだろうね、きっと。
「アリおば、こっち」
「はい、はい」
大吾に呼ばれて、ついて行って会場の中に入り、席に着く。
「ねえ、パンフレットとか、チラシとかないの?」
「アリおばは、見ないでいいよ」
「え?なんで?」
「なんででも」
なんででもって、変なの。11時からって事はあと5分くらいか。先入観無しで見るのも楽しいよね、ま、どうせタダだし。