フェイント王子たち

「すみませ〜ん」

と、小声で謝りながら、私達の列の左側から男の人が腰を屈めながら既に座ってる人の足を避けつつやって来て、私の左隣りの空いていた席に座った。座った男の人の、ふ〜っと落ち着いて顔をゆっくり上げた気配に、何と無く、チラッと見てしまう。…ん?目が合った。ん?思わず二度見っ!

「小瀧っ!?」

「川合っ!?」

隣に座ったのは同級生の川合だった。

「何してんのよ?こんな所で」

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