フェイント王子たち
「顔色良くないけど、『Noise』にたどり着く前に倒れないでよ」
「…頑張る」
「あと、アリおば」
「ん?」
「もし、玉砕しても、落ち込まないで、ちゃんと真っ直ぐ帰って来るんだよ」
「…わかった」
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
それから、服を選んだり、シャワーを浴びたりしているうちに8時少し前になった。
「あっ、そうだ」
小箱から中岡くんがサインしてくれたカードを取り出して両掌で拝むように挟んで目を閉じる。