私の王子様を見つけました
ガウンを着て部屋に入ると、暖房がきいた部屋の中に暖かいお茶が用意されていた。



マグカップを両手で包み込んで飲んでいると、氷室直人が隣に座る。



「お疲れ様。やっぱプロなんだね。寒さの中頑張ってる姿は素敵だったよ。」



「ありがとうございます。」



素直に嬉しかった。



お金を貰うからには、中途半端な事はしたくない。



「顔が冷たいね。」



ヒャー。



何するんですか。



氷室直人が両手で私の顔をはさんでいた。



「なんなんです。」



「冷たいから暖めてあげようと思って。」



結構です。



氷室直人はやっぱり危険な人物だ。



「商品に手を出すなよ。」



「暖めてあげてるだけ。」



氷室直人の手を振り払った。



氷室拓斗の顔が怖い。



これ以上悪い印象を与えたくないのに。



氷室直人、うざすぎ。



その時、お腹鳴る。



最悪だ。



「飯食べたら、又お腹が出るぞ。我慢しろ。」



すみません。



ごめんなさい。



お腹が出てた事ばれてるし。



恥ずかし過ぎるよ。



午後の撮影は部屋の中なので安心したけど、入浴シーンがあるなんて聞いてない。



三枝木美奈さんから、急遽入浴シーンを氷室拓斗が決めたと聞かされた。





















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