私の王子様を見つけました
直人さんに好きな物を何でも食べて良いと言われたので、唐揚げと海老フライ、刺身の盛り合わせ、シーザーサラダ、煮込みハンバーグを注文した。



美奈さんが目を丸くして驚いているけど。



朝から食べてないし、このくらい食べないと生きては行けない。



次々に運ばれて来る料理に顔が緩む。



さぁ、食べるぞ。



ドカンと誰かが隣に座った。



「こんなに食ったら太るぞ。」



そう言って、隣に座った社長が唐揚げを横取りした。


私の唐揚げを返してよ。


睨みつける私を無視して、海老フライも食べるし。


だめ、だめ、私の海老フライなんだから。



取り替えそうと必死になると、直人さんとは美奈さんが笑いだした。



「おまえらお似合いだな。」


拓斗がもの凄くやな顔をした。



「 俺は少食の女がいい。」



すみませんね、大食らいの女で。


食べる事が唯一の楽しみなんです。


箸が止まってしまった。


「まぁ、程々にしろと言うことだ。」


直人さんが私のお皿に焼き鳥を入れてくれた。


「真凛は焼き鳥好きだろ。食え。」


拓斗なんか、嫌いだ。



拓斗を無視して食べ続けた。


焼き鳥はうまいな。


拓斗は無言で酎ハイを飲んでいた。


酎ハイ美味しそう。



拓斗の酎ハイを横取りして一気にのんだ。


始めてのお酒に目が回るし。



気持ち悪い。


急いでトイレにかけ込んだ。



うぅ、気持ち悪いよぉ。


そのまま意識を手放した。










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