ツンデレくんに出会いました。
焦燥か静寂か
それからすぐに仕事が忙しくなり、モヤモヤに気を取られている場合ではなくなった。
一つ仕事が終われば、次の仕事がすぐに舞い込んでくる。
2週間ほどで一段落して、やっと定時に上がれた。
今日は絶対早く寝ようと考えてビルを出たら、駿哉と遭遇した。
2週間ぶりの姿に心臓が跳ねた。
「…お疲れ」
「ん」
平日だけど私服だった。
先週と同じ甘い匂いが鼻をついた。
「今日、仕事は?」
「休日出勤したから、その代休」
「へえ…」
さすがに仕事中に女と、なんてことはしないか。
「あの、駿哉から女物の香水の匂いがして…」
「よくわかるな」
「女物はわかりやすいから…」
「そうけ」
なんてことない、といった顔。
動悸がする。
「…彼女と、デートしてた?」
「彼女やないけど、会ってた」
心臓の音がうるさい。
彼女はいない。けど、そういう相手はいる。
あたしは喜ぶべきなのか。悲しむべきなのか。
「まあ、香水なら移るやろ」
「う、ん…」
「これくらいで動揺すんな。俺だってそれなりにしとる」
「わかってる…」
「奈子だって、相手くらいいるやろ」
「いるわけない…」
語尾が掠れていくのが自分でもわかった。
欲を満たすために恋人ではない人と寝るなんて、あたしにはまったく違う世界の話で、駿哉はそういう世界にいる人間という衝撃。
今のあたしにはもう関係ないのに。
一つ仕事が終われば、次の仕事がすぐに舞い込んでくる。
2週間ほどで一段落して、やっと定時に上がれた。
今日は絶対早く寝ようと考えてビルを出たら、駿哉と遭遇した。
2週間ぶりの姿に心臓が跳ねた。
「…お疲れ」
「ん」
平日だけど私服だった。
先週と同じ甘い匂いが鼻をついた。
「今日、仕事は?」
「休日出勤したから、その代休」
「へえ…」
さすがに仕事中に女と、なんてことはしないか。
「あの、駿哉から女物の香水の匂いがして…」
「よくわかるな」
「女物はわかりやすいから…」
「そうけ」
なんてことない、といった顔。
動悸がする。
「…彼女と、デートしてた?」
「彼女やないけど、会ってた」
心臓の音がうるさい。
彼女はいない。けど、そういう相手はいる。
あたしは喜ぶべきなのか。悲しむべきなのか。
「まあ、香水なら移るやろ」
「う、ん…」
「これくらいで動揺すんな。俺だってそれなりにしとる」
「わかってる…」
「奈子だって、相手くらいいるやろ」
「いるわけない…」
語尾が掠れていくのが自分でもわかった。
欲を満たすために恋人ではない人と寝るなんて、あたしにはまったく違う世界の話で、駿哉はそういう世界にいる人間という衝撃。
今のあたしにはもう関係ないのに。