ツンデレくんに出会いました。
熱が引かない
あたしは今男とお風呂に入っている。
もちろん駿哉ではない。
湯気の中であたしは自己嫌悪に陥っている。

「そんな端にいないでおいでよ」

背中から男の声がする。
あたしは男に背を向けたまま、ぶんぶんと首を横に振った。
駿哉に煽られて、やけくそで参加した初めての街コンでイケメンを捕まえたのは、あたしにしては上出来だろう。
目が大きくて、ミルクティー色の髪がよく似合う。初対面でも人懐こくて可愛い男だった。
同じ男なのに、駿哉とは真逆。

「意外と遊んでるのかなと思ったけど、そうでもない?」

男に後ろから顔を覗きこまれた。

「ああああの、すごくつまらない話なんですけどっ」

動揺してうまく舌が回らない。

「ん?」
「元彼に言われたんです。俺以外の男も知っとけって」
「え」

男が眉を潜めた。

「彼氏、ひどくない?」
「元彼です」
「どっちでもいいけどさ、そんなことわざわざ言う?」

呆れているのがわかる。

「あたしは元彼以外の人と何もなかったので、心配してくれてるのかもしれません。でも悔しくて、じゃあやってやろうって、街コンに参加して、今ここです」
「彼氏、ひどいよ」
「元彼です」

男の手があたしのお腹に回る。体が密着する。
ガチンと固まってしまった。
首筋に唇が触れる。ちゅっと吸われて、びくっと震えた。

「俺だったら、絶対他の男になんか触らせないのに」

背中越しに胸に手が伸びる。
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