ツンデレくんに出会いました。
ベッドに寝かされて、布団をかけられる。

「熱は何度?」
「朝測った時は8度5分…」
「それくらいやったら普通休むやろ」
「薬飲んだんだけど、全然下がんなくて」
「当たり前や」

おでこに熱冷ましのシートを貼られる。

「解熱剤飲んでも、寝ないと意味ないんや。ほんとばか」
「薬剤師さんの言葉は重みが違う…」
「製薬開発や。作る方」

駿哉は市販の解熱剤の箱を見ていた。

「最後に薬飲んでから何時間経った?」
「え、と、6時間とか…」
「ご飯は?」
「休憩に入る前に早退したからまだ…」
「食べれる?」
「たぶん…」

駿哉が部屋を出ていく。遠くからわずかに物音がする。
弱ってる姿なんて見せたくなかったのにな。
少しして駿哉が雑炊を持ってきた。

「…作ったの」
「ん」

駿哉の手料理なんて初めてで、なんかくすぐったい。
手を合わせて、れんげで雑炊を掬って食べる。米と卵と出汁の味がした。

「…おいし」

優しい味に頬が緩んでしまった。

「薬と水、置いとく。俺は隣で仕事してるから寝とけ」
「あ、うん…」

そうでした。お仕事中に邪魔してしまっていた。
遠くでキーボードを叩く音を聞きながら、雑炊を食べて、薬を水で流し込む。
布団に潜り、目を閉じた。
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