ツンデレくんに出会いました。
目が覚めると、駿哉が目の前にいた。
熱に浮かされて見る都合のいい夢かもしれない。
すぐに覚めるかもと思って、駿哉の手を掴む。

「ごめんなさい、自業自得なのに…」
「何が?」
「他の男、知っとけって…だから男の人と寝ようとしたんだけど、だめだった…それで、湯冷めしちゃって、風邪引いて…」
「なんで湯冷め?」
「寝ようとした人とお風呂入ったんだけど、そのまま一人で帰っちゃって、置いてかれて…」
「何してん」

駿哉は真顔のままだったけど、手は振り払わなかった。

「罰が当たったのかな…」
「何の罰?」
「駿哉を無理やり忘れようとしたから…」
「あほか」

ぼうっとして、駿哉の唇が目に入る。
他の女に触れたのはわかってるけど、キスしたい。

「駿哉…」
「何?」
「付き合ってた頃、ちょっとでもあたしのこと好きでいてくれた?」
「嫌いやったら付き合ってない」
「へへ、あと100年は生きられそう…」

なんだか安心して、眠気に誘われる。
触れていた指先の温もりが遠のいていく。
「ばかやな」と、駿哉の声が聞こえた気がした。
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