ツンデレくんに出会いました。
「迎えよこしといて、なんや」
「嫌なら無視すればよかったんじゃん。泊めてくれなんて言ってないんだし、あたしは駿哉がいなくても帰れます」
「じゃあ、連絡よこすな。ただの未練やろ」

低い声で突き放されるように言われて、動悸がする。
駿哉を怖いと感じて、今まで相当優しくしてくれたのだとわかる。
泣きそうで、俯く。

「確かに未練かもしれないけど、あたしは今の駿哉に会いたいし、他の人としてたらすごく嫌だし、優しくしてくれたら、昔より今の駿哉が好きだなって思ってるし、あたしだってこんなはずでは」
「それは告白け?」

思わず顔を上げて、真顔のままの駿哉を見て、顔に熱が集まる。
気づいた時には既に遅し。
勢いで告白してしまった。
顔から火が出るという表現がぴったりなくらい顔が熱い。
駿哉がじりじりと歩み寄る。あたしが後ずさりすると、駿哉が距離を詰める。
そのまま後ずさりすると、背中に建物の壁が当たった。
もう逃げられない。

「俺のこと、そんなに好きなんや」

一瞬、駿哉の視線が揺れた。気がした。
あたしを見下ろす駿哉の表情が全く読めない。
逃げ出したいのに、足が地面に貼り付いたように動けない。
駿哉の手があたしに伸びて、思わずぎゅっと目をつぶった。
殴られると思った。
のに、何も感じない。
そっと目を開けると、さっき返したマフラーを、駿哉があたしの首に巻いていた。

「貸してやる」

駿哉が背を向けて歩き出す。
マフラーから駿哉の匂いがする。
こういうことを、するから。
後ろから駿哉のコートの端を握っても、駿哉は何も言わなかった。
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