ツンデレくんに出会いました。
夢の残滓
職場の化粧室で先日借りたマフラーをじっと睨んでいた。

「中出の?」
「志満ちゃん」
「その色、男物やろ?」
「あ、うん、まあ…」
「なんや、うまくいっとるんやない」
「いや、その、これは偶然の産物というか」
「いいのいいの。返しに行くんやろ?」
「そのつもりです…」

なんだかすごく見透かされている。

「中出に会うなら、これあげる。私は必要ないから」
「あ、ありがとうございます…?」

志満ちゃんに渡されたのは、茶色い紙袋だった。薬局で化粧品を買った時にもらうような、オーソドックスな紙袋。
持ってみると軽い。

「じゃ、お疲れ」
「お疲れ様…?」

志満ちゃんは含みのある笑いを残して帰っていった。
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