ツンデレくんに出会いました。
「奈子、俺のこと好きやろ?」
「え、あ、えと、まあ、はい、好きですが」

突然核心を突かれて、しどろもどろになってしまった。

「じゃあ、結婚する?」

一瞬、頭の中が真っ白になった。

「急」

思わず突っ込んでしまった後に、言われた言葉が脳で反芻される。
今、結婚って言った? 結婚って、夫婦になるやつ?

「…あの、自惚れてはいないのですが、駿哉はあたしが好きなんですか」
「気づいてなかったのか」
「何も言われてないし」
「気づいてて俺としたのかと思った」
「いや、だから、あたしは何も知らないですし」
「奈子って、けっこうガバガバよな」
「あなたに言われたくないですけど!?」
「なんでや」
「あたしのことは気まぐれだったのかと…」
「俺は好きな人と気まぐれでやらん」

なんだこの会話は。
少なくとも外でする会話ではない。
でも駿哉がなんとか伝えようとしてくれているのがわかって、あたしは観念するしかない。

「その、セフレは…」
「そんなんとっくにいない」
「そうですか…」
「あと心配なことは?」
「えと、たぶん、ないです…」
「じゃあ、何も問題はないやろ」

ないんだろうか。本当に何も問題ないんだろうか。

「返事は?」

ぐっと腕を引っ張られて、顔を近づけてくる。
ずるい。
そんなに真剣な目で言われたら、こっちだって逃げられない。

「よろしくお願いします…」
「ん」

駿哉がふっと頬を緩めて、なんだか嬉しそうだった。
そんな駿哉があまりに可愛くて、家にいたら絶対襲っていた。
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