神様、はじめました。(仮)



何だろ…


何だ?


この、ざわつくいやつかん。


「祐汰?どうした?」


ぼぉ一っとしていた僕の肩に手をのせてきて名前を呼ぶ風太の声に、ハッ我に返る。


「あ、はは。ごめんぼぉ一っとしてた。」


「それなら、良いけど。それより帰りどうする?このまま濡れて帰ったら風邪を引く。一応、俺と渚は傘持ってる。」


「あ、持ってるの?」


「じゃあ、俺は渚っちの、傘に入ろっと~」


「えっ、ぼ、僕…翔陽君じゃなくてゆ一ちゃんと一緒に傘に入りたかった。」


「渚っちいま、サラッと俺に酷い事言ったよ。」


「わわっ、ごめん。そんなつもりじゃないんだよ。」


「渚、僕は良いから翔陽に傘を入れてあげて。」


「ゆ、ゆ一ちゃんが言うなら。」


「風太。」


「何だ、祐汰?」


「蒼空を傘の中に入れてやってくれ。」


「ちょ、祐汰!それじゃお前どうするんだし!濡れて帰るつもりかよ!」


「だいじょ一ぶだよ、濡れて風邪引くような弱い体してないから。それに、三人じゃ入れないからね。」


「ふざけるなよ、俺は風太と相合傘何か死んでも嫌だね。誰が、コイツと肩並ばせて一緒に帰れるかよ。」


「俺もだ、祐汰。こんな馬鹿と言う単語しか頭にないような奴と一緒に並んで帰りたくはない。馬鹿がうつる。」


「ちょ…二人共何もそこまで。」


ばちばちの火花を出す蒼空と、風太。


この二人、本当お互い嫌ってる感じで。
小学生からの付き合いでそれなりに長いのに、何でだか二人が仲良くしてる姿何かそれこそ無くて。


口を開けば、お互いの悪口を言い合う。
喧嘩する程仲良しって言う言葉を聞くけど、二人の場合その通りなのかそうじゃないのか。


「祐汰、お前は風太と一緒に帰れ。」


どんっと背中を押され、風太の傘の中に入らせる蒼空。


「でも、それじゃ一蒼空が。」


「俺は平気だ、風太と相合傘するよりかはましだっつ一の濡れて帰った方がな。」


「蒼空…」


「濡れて風邪引くような弱い体してないから俺も。」


僕がさっき言った言葉。


「じゃあ、俺は先に家に帰ってるからな祐太。」


「わかったよ、気を付けて帰るんだよ?」


「お一。」


蒼空は、どしゃぶる雨の中に飛び出して、そのまま僕達に背中を向けながら走って帰って行った。


「祐汰?」


風太が、僕に話しかけてくる。


「蒼空は馬鹿だよね、自分が濡れてまで僕を濡らしたくなかったんだ。アイツは…優しいから。」


「双子…だからだろ。」


「え?」


「双子の兄弟だからこそ、兄弟同士想い合える時だって有る。祐太が蒼空を想ったように、蒼空だって祐汰を想ってる。」


「風太…」


いつも蒼空の事悪くしか言わないけど


何だかんだちゃんと、蒼空の事思ってるんだな風太は。


「はは、そうだね。」


双子…


兄弟…。


「ゆ一ちゃん、早く帰ろう~!」


「風太も、早く来いよ一!」


「渚と翔陽が呼んでるし、俺たちも帰るかもう。」


「そ一だね。」


雨の中、渚と翔陽と僕と風太、横列に並びながら楽しく会話をして帰り道を歩いた。


僕の高校生活は、平凡だいたって。


それが、当たり前で。


ずっと続く日常だって思ってた。


友達と笑ったり、たまに喧嘩何かもするけど…ある意味それは幸せと言えるから。


この時の僕達は、この幸せが続くんだと誰もが思って居た事だった。


今日までは。




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