黒愛−2nd love−
振り向くと、特徴のない地味顔の男が、ツカツカ近づいてくる。
私を蔑んだ目で見下し、
更に言う。
「生活指導部長というポジションに、黒田愛美さんが相応しいとは思えません。
ウワサでは、消灯時間を過ぎても部屋に明かりがついているそうです。
身なりも世俗的で、我が校に似合わない。
中間テストの順位も、下から数えた方が早い。
三ノ宮学園への編入は理事長絡みだそうですが、
まさか生徒会役員の任命にも、理事長の意向が?」
隣で堂々と私批判する地味男にムカついた。
「理事長は関係ない。
今回は100%俺の意向」
叶多くんはそう説明してから、
「愛美の評判、
随分悪いみたいだな」
そう言って、クククと笑っていた。
「笑いごとではありません!
私も反対です!」
地味男だけじゃなく、生徒会メンバーが次々立ち上がり、
叶多くんを取り囲む。
「中野桜子さんの件は、きっと何かの間違いなんです!
あんなことするはずない!
停学明けに彼女を元のポジションに……」
そんなふざけたことを言って、
私の努力を踏みにじろうとする奴もいた。