下僕お断り!


あの時、月花がとめてくれなかったら、多分俺は人を殺してた。


全部全部壊して、殺してしまったんじゃないかって想像してぞっとした。




そもそも飛び込んできた月花の存在を認識しても、俺の拳は止まらなかった。止められなかった。



頬に傷をつくった月花に手を握られて、その暖かさで、漸く気が付いた。


俺はこの手で、彼女を傷つけてしまったのだと。




滑稽だと思った。



バカみたいだと、思った。




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