不機嫌なアルバトロス
自分の足取りは、頼りない。



冷えた空気が、冷たくて冷たくて仕方がない。




ふわふわと好き勝手に飛んでいた私。


いつも通りなら、こんな展開願ってもない。


寂しすぎるから。


だから、傍に居てくれるなら、どんな人でもいいって思っている筈。



今の私はまさに弱り時。


狙い目。



すぐにまた捕獲できる瞬間。




誰でもいいんだもん。


誰でもいいから、傍に居てくれれば。






…いつもなら。






「だめだなぁ…」




目頭が熱くなる。


下を向いているから、涙は重力に逆らうことなくぽたりと落ちる。






貴方の、甘い香りが、私の羽を奪ったらしい。



次から次へとふわふわ飛んでいけたのに。


私は翼をもがれて。


もう、次へ飛ぶ元気も意思もなくなった。


空を見ようと思うこともない。


さよならして、まだほんと数日しか経ってないけど。




貴方に会いたいなぁ。



どうにかして、会えないかなぁ。



道端で偶然、とかでもいいから、ないかなぁ。




あぁ、やっぱり。



ちゃんと好きって言えば良かった。



振られたら、今よりはまだマシだったかな。





なんで、言っちゃいけなかったの?



なんで、言わないでって言ったの?





本当に、さよなら、なの?





どこかで、まだ、最後じゃなかったんじゃないかって思うの。





携帯にまた普通に連絡が来るんじゃないかってそわそわするの。






会いたいの。




ねぇ、今、この瞬間、貴方はどこにいて、何をしてるの?



同じ冷たい空気に当たってる?



少しでも。


今日一日の中で、ほんの一瞬でもいいから。



私のことを思い出してくれたかな。



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