不機嫌なアルバトロス

「まず、佐藤一哉っていう男は年が29歳で、超エリート。大手外資系の会社に勤めていて、海外出張にバンバン行っている忙しい人間だ。」


自分のことではないように話す彼に、違和感を覚えつつも、なんとなく頷く。


「ただ苦労人であり、両親を早くに亡くして親戚をたらいまわしにされていた。努力して国立の某大学を出て、今は妹と二人暮らし。その妹も就職をして5年程経つので、そろそろ自立できるようになってきた。」



ん?



妹というキーワードに反応する。




「かなり真面目で正義感に強い男だから、妹が結婚するまでは自分は結婚しないつもりで居る。そんな妹は長く付き合っていた男性と近々式を挙げることになっていた。だが、ある日その妹が命に関わる心臓の病に侵されてしまう。妹は昔から心臓が弱かった、という設定だ。」



んん?



それってもしかして…



「それが、佐藤乃々香25歳だ。一哉は4個下の妹を溺愛している。なんとかして心臓移植をしてやりたいと考えた。」



やっぱり。


私か?
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