一つ屋根の下


2年生になったら始めていいと約束をし、父は夜もバイトを重ねた。

待ちわびていたならいごとに、蒼空がパアッと笑顔になる。

二重のくっきりした目が笑うと、父の疲れも吹き飛んだ。

蒼空はみるみるうちに上達し、中学校に入る頃には大きな大会でも上位に入るようになっていた。


だから、自分に水泳を習わせてくれたお父さんには感謝しているし、幸せになってもらいたいのだ。
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