一つ屋根の下
「相田ーっ!」

懸吾の声に、蒼空はやっと我に返った。

「あっ...ごめん!あの...私」

隣のコースで泳ぐ懸吾は部員に大声で指示をすると、プールサイドに上がり、蒼空を手招きした。

蒼空は戸惑いながら、懸吾についていく。

懸吾は振り返ることなく早足で、運動場の済にある冷水機の近くまで行った。

「帰れ」

「えっ...?」

懸吾は唐突に振り返ると、そう言い放った。

普段の懸吾はにこにこして優しいので、驚いて眉をひそめる。
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