一つ屋根の下
「愛じゃん。今から部活?」

親友の顔を見ると、なぜかこらえていたものが溢れそうになって、関係ない話をした。

愛は質問には答えず、一緒にいたテニス部員たちに先に行くよう合図をすると、ぎゅっと蒼空に抱きついた。

「無理しないでね。話聞くからね。」

綺麗な黒髪からいい匂いがして、蒼空はそっとうなずいた。

振られた事は愛にまだ言ってなかったけど、きっと噂で聞いているのだろう。

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