薄紅
青い表紙の本を手に取り、

この図書館の一番隅のソファーに

腰をおろす。ここが私の特等席だ。

前は読書ってあんまり好きじゃ

なかったんだけど。

今は、読んでる間は現実の事を

忘れられるのがよくって。

放課後この場所で本を読むのが

平日の日課となっていた。

硬い印象の表紙とは違い、

内容はかなりファンタジックで。



たまにはこういう本も、なんて思って

読み始めた本だから、

少し期待外れだけど。すごく面白い。

と、本に没頭していると、

視界の端に白い動くものがうつった。

不思議に思い、本から顔をあげると、
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