守ってダーリン!
そう判断した警察は、未だショッピングモール内に潜んでいると思われる、男の居場所の確認に急ぐ。

そんな中、監視カメラに映ったのは、タクシー乗り場付近をうろついている容疑者の男の姿だった。

すぐさま近くにいた警官が男と接触、職務質問を開始したけれど、男は話の途中で逃走を企て、自棄になって起爆装置を発動させたとのことだった。


(それが、あのときの現場・・・。)


龍平くんの話を聞きながら、私は自分の記憶と照らし合わせる。

「ショッピングモールまるごと破壊するつもりだったらしいけど、そこまでの威力はなかったみたいだね。」

ケガをした犯人はそのままそこで逮捕。

あのショッピングモールの求人に応募したけれど、不採用にされたのが犯行の動機だったらしい。

「オレらからしたら、『そんなことで!?』って思うけど。

バイトの面接で20社くらい落とされてて、本人はかなり追いつめられてたらしいんだよね。」

事件の流れを一通り説明したあと、龍平くんは市谷さんの話をしてくれた。

タクシー乗り場に容疑者がいる、という情報を耳にした市谷さんは、私がそこにいるかもしれないと思い、すぐに駆けつけてくれたらしい。

そして、あの時。

容疑者の近くにいる私を見た市谷さんは、危険を察知して、私を抱きしめるようにして爆発の衝撃から守ってくれたのだ。

「自分が里佳ちゃんを家まで送っていってれば、あんな目に合わせずに済んだのにって、市谷さん、すげー後悔してるんだ。」

「えっ・・・。」

市谷さんが、そんな風に自分を責めているなんて。

私は思いもよらなくて、切なさで胸がぎゅっと締め付けられた。
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