守ってダーリン!
「そんな・・・だって、市谷さんのせいじゃないのに・・・。」

それに何より、ちゃんと助けに来てくれた。

身を挺して、私を守ってくれたのに。

切なさで、胸が苦しい。

そんな心の内を見透かしたように、龍平くんは表情を明るく変えると、にやっと私に微笑んだ。

「うん。だからさ、次に会ったらほっぺにチューでもしてあげて。

骨折も、ソッコー治るから。」

「!!そ、そんなこと・・・!

・・・っていうか、それで治ったら、お医者さんいらないし!」

龍平くんの突然の提案に、私は思いっきりうろたえた。

「はは。そっか。」

「もう、龍平!こんなときにふざけないの!お姉さんもいるのに!」

玲奈が怒ると、龍平くんははっとしたように「すいません・・・」と言ってお姉ちゃんに謝る。

「ううん。全然。」

首を横に振って、お姉ちゃんは笑う。

私も、いつもと変わらない龍平くんに、なんだかほっとして笑ってしまった。

そしてふと、市谷さんの、甘い顔を思い出す。

結局、告白であろう約束も、果たされていないまま。


(頬に、キスはしてくれたけど・・・。)


そんな・・・告白がどうのって言ってる場合じゃないことは、わかってる。

わかっているけど・・・。
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