守ってダーリン!
頬に、いくつもかすり傷ができている。

浴衣から伸びた両腕からは、ぐるぐると巻かれた包帯が覗き、はだけた裾の先からも、同様に白く固定されている両足が見えた。

痛々しい彼の姿に、胸がぎゅっと締め付けられる。

どう見てもつらいであろうその姿に、「大丈夫ですか」なんて声をかけることも出来なくて、私は無言で立ち尽くす。

「・・・里佳さん、身体は?大丈夫?」

そんな私を気遣うように、声をかけてくれる市谷さん。

「はい。・・・あの・・・ありがとうございました。

ごめんなさい、私のせいで・・・。」

伝えたいことはたくさんあるのに、うまく言葉が出てこない。

「いや。里佳さんのせいじゃない。

オレの方こそ・・・あのとき、送っていけばよかったんだけど・・・。」

私を見る市谷さんの目は、辛そうに潤みを帯びている。

「そんな・・・。」

もっともっと、いろいろなことを伝えたいのに。

言葉が出てこない私は、ギャラリーが多いのも気になって、そのままぎこちなく視線を落とす。

そんな様子を見かねたお姉ちゃんは、軽く会釈をすると、一歩前に進み出た。

「あの・・・初めまして。里佳の姉です。

このたびは妹がお世話になって・・・どうもありがとうございました。」

そう言うと、お姉ちゃんは市谷さんに向かって頭を下げた。


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