守ってダーリン!
ナースステーションに声をかけ、市谷さんの病室に向かう。

部屋の前まで来た私は、昨日と同じように、深呼吸をしてから病室のドアをノックした。


コンコン。


「はい。」

市谷さんの声が聞こえ、淡いベージュ色のドアをゆっくりと開ける。

「失礼しま・・・。」


(う・・・!)


病室には、またしてもスーツ姿の男性たち。

昨日ほどの人数はいないけれど、昨日と同様、皆、怖そうな顔をしている。

「里佳さん。・・・今日も、来てくれたんだ。」

「はい・・・。」

ドアの入り口で硬直している私に、市谷さんは優しく声をかけてくれた。

そんな、彼の態度に気持ちは温かくなるけれど。

昨日と違って、今日は助け舟を出してくれるお姉ちゃんも龍平くんもいない。

市谷さんに会いに来たとはいえ、知らない男性ばかりの病室で、私は一人、緊張の嵐に包まれる。

冷汗が流れるような気分の中、なんとか勇気を振り絞り、ベットサイドに歩み寄ったはいいものの。

「あの、これ、よかったら!」

最高潮の緊張に達してしまった私は、そう言って市谷さんにクッキーの入った袋を手渡すと、「じゃあ、私はこれで!」と、そそくさと病室を出て行ってしまった。
< 123 / 330 >

この作品をシェア

pagetop