守ってダーリン!
「えっ!?ちょっ・・・里佳さん・・・!」

引き留めるような市谷さんの声がしたけれど、私は聞こえないふりをして、そのまま廊下を歩き出す。

角を曲がろうとしたところで、「ちょっと!」という男性の声が耳に響き、私は思わず立ち止まる。

「お嬢さん、ちょっと待って。」

振り向くと、先ほど病室で見た一人の年配の男性が、私の元に駆け寄った。

「市谷が動けないから、代わりに来たんですけどね。

せっかく来たんでしょう。もう少し、ゆっくりしていってあげてください。」

そう言って、私を病室に戻るように促すけれど。

ここで「はい」と言って素直に従う勇気と余裕は、私には全くないわけで・・・。

「いえ・・・。今日は、用事があるので・・・失礼します。」

見え見えだろう嘘をついて、私はぺこりと頭を下げる。

「・・・そう・・・。じゃあ、また今度来てあげて。

市谷も、喜ぶから。」

男性はそう言うと、人懐こい笑みを私に向けた。





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