守ってダーリン!
「・・・おまえら、ノックぐらいできないのか。」

市谷さんが、史上最悪レベルの恐ろしい顔で、ドアの方を睨んでいる。

「すいません!したつもりなんですけど。」

ドアの取っ手を持ったまま固まる、市谷さんの後輩らしき男性。

相当な怒りを買ったと自覚しているのか、苦笑いで腰がかなり引けている。

「したつもりでも、返事待たないと意味ないだろ。」

市谷さんの落ち着いた口調が、ますます怖さに磨きをかける。

「あー・・・えーと・・・すいません!

オレ達も、彼女が来てるのわかってたら、遠慮したんですけど・・・。」

「ははは」と誤魔化すように笑ってから、後輩らしき男性はチラリと私に目を向けた。


(う・・・。)


恥ずかしくなって、思わず視線をそらすけれど。

「初めまして」と声をかけられて、私はおずおず会釈した。

「いやー、でも、よかったです!

毎日かわいい彼女が来てるって聞いてたから、会ってみたいなって思ってたんですよー。」

元々度胸が据わっているのか、恐怖心より好奇心が上回ったのか、そう言うと、男性はにこっと微笑みかけてきた。


(うう・・・。)


私は反応に困って、何度も瞬きしてしまう。


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