守ってダーリン!
翌日は、朝から、出会った日のようにポツポツと雨が降っていた。

晴れていれば多少は気分も上がるのに、しとしとと冷たい雨が降る冬の日は、根拠なく不安を連れてくる。


(市谷さん、元気を出してくれるかな・・・。)


心配と、不安と、会いたい気持ちと。

ごちゃまぜになった気持ちを落ち着かせながら、彼が以前『おいしい』と言ってくれたスコーンを作ると、面会の開始時刻に合わせて、レインブーツを履いて家をでた。



病院に着くころには、身体はだいぶ冷えていた。

凍える手で傘をたたむと、少しでも早く温まりたくて、急いで病院の中へと入っていく。

市谷さんの入院病棟に行き、面会の受付をしていると、顔見知りになった春山さんという年配の看護師さんが、「久しぶりだね」と言って私に声をかけてきた。

「はい・・・ちょっと、仕事で忙しくて。」

「そうなんだ。市谷さん、ここ数日元気がないから励ましてあげて。」

にっこり笑うと、春山さんはナースステーションから出て行った。


(やっぱり・・・元気ないんだ。)



< 143 / 330 >

この作品をシェア

pagetop