守ってダーリン!
「おじゃまします・・・。」

久しぶりに訪れた市谷さんのマンション。

彼の家に上がるのは、看病に来た時以来だ。


(あ・・・なんかすっきりしてる・・・。)


前回訪れた時は、体調が悪いこともあってか、カップラーメンのごみの山があったりと、全体的に乱雑な印象がしたけれど。

今日の彼の部屋は、きちんと整えられている。

「里佳が来るかもしれないと思って、ちょっとは片付けたんだけど。

狭いけど、そのへん座ってて。」

立ったままキョロキョロとしている私に、市谷さんはそう言ってキッチンから笑いかける。

「はい・・・。」


(どうしよう、とりあえずここに座っておくかな。)


コートを脱ぎ、ローテーブルの置かれたカーペットの上にそわそわとした気持ちで座っていると、市谷さんが香しいマグカップを2つ持ってきてくれた。

「はい、どーぞ。」

「ありがとうございます・・・いただきます。」

彼が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、軽く雑談を交わしたところで、私は早速ボタン付けに取り掛かろうと、裁縫セットの箱を開けた。

「じゃあ、お願い。」

市谷さんから、脱いだばかりのジャケットを受け取る。
< 183 / 330 >

この作品をシェア

pagetop