守ってダーリン!
(職場の人たちが大勢いるところで・・・

しかも、こういう雰囲気の中でキスするなんて、直くんは絶対にイヤだよね)


シチュエーション的には、しなきゃいけない感じだけれど。

彼の性格上、冷やかす同僚の前でキスをするなんて、かなり抵抗があるはずだ。


(挙式のときは、唇にしてくれたけど・・・)


厳かな雰囲気の中、交わしたキスを思い出す。

あれは、私にはもちろん、彼にとっても、きっとものすごく特別で、大切な意味を示すもの。


(今は、ノリというか・・・盛り上げるためのキスっていう感じだもんね・・・)


どうしたらいいかな、と思っていると、龍平くんが直くんにこそっと耳打ちをし始めた。

「里佳ちゃん、式の後『市谷さんが、みんなの前でちゃんとキスしてくれて嬉しかった』って言ってましたよ」


(えっ!?い、言ってない・・・!)


確かに、すごくキュンとしたし、嬉しかったのは事実だけれど・・・。

漏れ聞こえた龍平くんの言葉に、私が驚いて固まっていると。

「里佳」

直くんが、身体の向きをくるりと変えた。
< 303 / 330 >

この作品をシェア

pagetop