守ってダーリン!
そんな話をしていると、吉人さんお手製のウェディングケーキを、伊佐子さんがカートに載せて持ってきた。

「ちょっと早いけどね。みんな酔いつぶれる前に食べてほしいんだって」

伊佐子さんがくすっと笑う。

たくさんのフルーツでデコレーションされた、四角い形のウェディングケーキ。

「Happy Wedding」とチョコレートで綴られた文字の下には、私と直くんの名前も添えられていた。


(披露宴のときの三段重ねのケーキもいいけど・・・こいうのも、手作り感があってうれしいな)


本日二度目のケーキ入刀。

私と直くんで切り分けたケーキを配り終えると、ゲストのみんなは席に着き、それぞれが近くにいる人たちと談笑をし始めた。

会場内が落ち着いた雰囲気になったところで、私たちも「今のうちに」と言ってウェディングケーキを口にする。

「わ!おいしい・・・!吉人さん、さすがだなー」

「本当に美味いな。ホテルのより、好きかもしれない」

二人で感想を言い合っていると、アルコールが回った陽気な男性陣が、私たちの元へやってきた。

「倉木さーん・・・じゃないか。里佳さん!オレのこと、覚えてますか?」

直くんに挨拶をした後で、私に話しかけてきた若い男性。

その男性の顔をしばし見つめた私は、「あっ」と言って笑顔で答えた。
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