いろはにほへと
日本には、自分を形容する言葉が沢山存在する。



それが、決してプラスのものではないにしても、私はそれでいいと思っていたし満足していた。



けれど、トモハルは違う。



明るい。


表情をコロコロ変える。



綺麗。



太陽みたいに、笑う。




自分とは、違う。



明らかに、真逆だ。




こんな人と、まさか、一つ屋根の下で暮らすなんて、誰が想像できただろう。






隣に並んで歩いていても。



隣に座っていても。




私の中にはいつも、反発する感情があった。







―私と、トモハルは、不釣合いだ。





私は、隣に居ていい人間じゃない。





自分とは、違いすぎるから。






なのに、トモハルは私に関わってくる。





距離をとろうとしているのに、あっという間に近づいてくる。








違う。



間違えてる。



トモハルの隣に居るのは、もっと違う子。




私みたいに子供じゃなく、暗くもない。




そう、例えば。





かわいくて、白くて、お人形みたいな女の人が。





トモハルには似合う。
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