元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~






シュガーさんは激しく咳込んだ後、話し始める。



「おれはある日風邪を引いたんだ。
施設の園長がおれを病院へ連れて行った。

そこで言われたんだ。
佐藤会長の息子さんであるあなたは、我が病院では治療できません。
佐藤会長に逆らえば、この病院はなくなりますってな。

他の病院でも同じ対応をされたよ。
結局おれは自力で治した。
病院なんてものは、おれの世界になかったんだからな。

施設を出たおれは、父親に復讐するため、殺し屋への道を選んだ。
風邪を引いても病気になっても病院に頼れないおれを、施設の園長たちは見捨てないでくれたんだ。

そのせいで施設の経営は悪化して、借金取りが後をたたなかった。
園長がストレスで倒れたことも、1度や2度じゃない。

園長が入院するたび、おれは施設や学校でいじめられた。
園長は子どもに大人気だったからな。

ブラックキャットに入って訓練を受けた時、おれは倒れた。
当時この救護室には医師免許を持った医者がいてな。
おれはソイツから、二十歳まで生きられないことを知った」




ん?




「二十歳?シュガーさん今いくつですか?」

「おれは18だが?」



わ・・・若い。

それなのに、死ぬなんて・・・。

僕の目から再び涙があふれた。




シュガーさんは寂しそうに笑いながら、僕をなでた。




てかシュガーさん、いつも敬語で自分のこと“ぼく”とか言っていたのに。

今は敬語じゃないし、一人称が“おれ”だ。



僕は少しでも、

シュガーさんの心の闇に

入ることが出来たのかな・・・?








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