元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
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「・・・思い出した」
何で今の今まで、陽詩のことを忘れてたんだ。
チョコレート色の髪色も、その笑顔も、全てが佐藤さんに似ている、陽詩さんに・・・。
「でも陽詩さん。
何故数年経った今、あなたは僕の前に現れたんですか?」
「・・・あたし、実は・・・兄に悪いと思うんですけど・・・」
「はい?」
「・・・和泉さんのこと、好きになったんです。
あの時・・・この場所で兄のことを教えてもらった時に」
え?
僕を・・・好き?
「一目惚れってやつでした・・・。
あたし、あの時気持ちを伝えようとしました。
でも・・・兄を失って寂しい思いをしているだろう和泉さんに、伝えられなかったんです。
同情かと勘違いされるかと・・・思いましたから」
「・・・」
「だから・・・数年後、何か機会があれば・・・その時に告白しようと思ったんです」
「では何故・・・妹だと名乗ったんですか?」
「和泉さん、あたし今言いましたよね?
機会があれば告白しようって。
・・・実は数日前、機会が現れたんです」
陽詩さんは鞄の中から、1通の手紙を取り出した。
あの・・・赤い封筒だ。