元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
あたしが落ちた理由。
単純だった。
合格した子は、今回審査員長を務めた雑誌の編集長の知り合いの娘さん。
父親は娘に凄く甘い親馬鹿で、娘を合格されるよう審査員長を脅していたんだ。
対してあたしは可愛くて美しいけど、親がいないって理由で落ちた。
例え可愛くても、例え美しくても、あたしに権力はない。
あたしの方が何倍も何十倍も何百倍も、可愛いし美しいのに。
ショックが大きくて、あたしは学校を休みがちになった。
クラスの子がお見舞いに来ても、決して会わなかった。
「お姉様って、中身は空っぽなのね」
ある時愛しの妹に言われた。
あたしの・・・中身が、空っぽ?
「オーディションに落ちただけなのに、いつまでも引きずって。
立ち直る努力をしないのね」
もう世界的に有名なモデルへと成長していた妹は、可愛くて美しい顔立ちのまま、実の姉に向かってヒドいことを言った。
「さっさと立ち直りなさいよ。
見ていてイライラするわ。
じゃあアタシ仕事だから」
ブランド物の鞄を持ち、ブランド物のネックレスやワンピースを身にまとう妹。
憎くて仕方なかった。