元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
最後に目を付けたのは、神崎澪鵺。
黒髪で眼鏡の、元ダサ男らしいけど。
また彼女がいた。
・・・また断られるのは、嫌だ。
あたしは「可愛い?」と聞く前に包丁を首元に当てた。
「あたしと付き合いなさい。
そうしなければ、彼女を殺すわよ」
「・・・」
「あたしは殺し屋女王よ。
聞いたことあるでしょ?
世界殺し屋ランキングでは10位よ」
「・・・」
「あたしと付き合って、お願い」
「・・・良いですよ」
「え!?」
「ただ覚えておいてくれますか?
ボクが好きなのは・・・彼女だけです。
何があっても、彼女を捨てたりはしません」
「・・・わかったわ」
あたしは頷いた。
あたしと彼が付き合ったことは、瞬く間に有名になった。
ただ本当に付き合っているわけではない。
うわべだけの付き合い。
彼も友達の前では「うっせ」とかタメ口なのに、あたしの前では敬語。
彼と付き合っていけば、わかるかしら?
誰かを大切に思う気持ちを――――。