電波ジャック~ハロー・ラバー~
何個かあるレバートリーの中から、今夜はメインを豚のしょうが焼きに決めた。

「…材料は買ったし、米も買った。姉貴のコーヒーも買ったし……あとはチョコか」

女王陛下がご所望のチョコは、カカオ60%以上のビターチョコ。

俺は菓子売り場の棚へと、カートを押した。


最早常連の俺は、迷うことなくチョコ売り場を目指す。
……まぁ、通り道にあった安売りのスルメを、俺用に篭へ入れたりはしたけど……。





「えっと……何とかっていうメーカーなんだよな」

目印は、クラシックな雰囲気の黒い箱。そこに商品名が光沢のある赤で書いてある……んだっけ。

記憶を辿りながら、俺は最後の角を曲が――――ろうとした。









ふわり……


ふいに鼻をくすぐる良い匂い。

食いモンじゃない。
でも蜜柑みたいな匂いで……あぁ、アレ。シトラスって言うんだっけ。

クン……と鼻を犬みたいにすると、匂いがくる。


(チョコ売り場から……?)



俺は匂いの元に首をかしげながら、売り場に足を進めた。











(うわっ………)
< 17 / 32 >

この作品をシェア

pagetop