電波ジャック~ハロー・ラバー~
「平野くん……」

特に表情の変化もなく、淡々とした相田の声。

「えっと……あの、さ……」

さっきの距離より近くに来て、相田の顔がはっきり見える。
やっぱり泣いていたのか……?
少し目が潤んでいるように見えた。

「さっきの話、聞いていたのね」

さすが、学年一位はすぐにそこに気付いた。
その思考を読んでいた俺も、やっぱり「さすが」ってことか。
――じゃなくて!

「ごめん……」
「あなたも彼と同じことを言うのね」
「いや……だって、盗み聞き……」

後ろめたさに口ごもっていると、視線が自然と俯いてしまう。

相田の仕草や動きの雰囲気一つ一つが、俺にプレッシャーをかけて追いつめてくる。
今さら、声をかけたことを凄く後悔した。

相田のトーンは変わらない。

「盗み聞きと、偶然聞いてしまったのは意味が違うわ。私たちが話をする前に、誰かいないか確認しなかったんだもの。あなたに何か落ち度がある訳じゃないもの」

「ごめん……」
「もう言わないで。さっきの話、聞いてたの?」

苛立ちを感じた。
今の状況をなんとかしたくて、思い付いた言葉を言ってしまった。

「あの人のこと……好きだったのか?」
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