現実は小説よりきなり
「やった!任せて。嵐ちゃん、私が決めるぅ」
眞由美と可奈に向かって嬉しそうにピースすると、私の方へとやって来る美樹。
「じゃあ、この棚から適当に見繕って」
収納棚を開けたまま美樹に場所を譲ると、私は出来上がったばかりの紅茶をカップへと注いでいく。
「うわぁ、沢山あるね。こんなに食べたら太っちゃう」
フフフと嬉しそうに微笑みながらお菓子を選別していく美樹は、かなりテンションが高い。
「好きなだけ食べても良いけど。夕飯を食べれる程度にはしてね」
美味しい寮の晩御飯が食べられなくなるのは本末転倒だしね。
「ハイさ」
軽い返事を返してくるけど、本当に分かってるのかな?
ま、良いけどさ。
「この入れ物使ってね」
お菓子を乗せる竹かごを美樹に手渡す。
「うん、任せて」
美樹は瞳を輝かせながら振り返ると竹かごを受け取った。
「先にいくね」
煎れたれの紅茶の入ったカップを乗せたトレーを持って、眞由美達の待つリビング向かう。
美樹は鼻唄混じりでお菓子を選別してる。
ほんと、どんなことにも全力なんだね。
真剣な顔の美樹が面白かった事は秘密だ。
「おまたせ、二人とも」
ソファーに並んで座る二人の前にカップソーサーを置いていく。
反対側には私とは美樹の分を置く。
中央に砂糖とミルクを置いて、私はソファーに座った。
「ありがとう、嵐」
と可奈。
「うわっ、凄く良い香り」
クンクンと鼻を動かす眞由美。
「冷めないうちに飲んでね」
と二人に進めてると、竹かごにお菓子を盛り付けた美樹が満面の笑みを浮かべて戻ってきた。
「おっまたせぇ」
大量に盛り付けられたお菓子達。
これを全部たいらげたら、きっと夕御飯は食べれないと思います。
そう思ったのは私だけじゃないと思う。
だって、可奈と眞由美もあまりの多さに目を見開いてるからね。
「えっ?どうかした?」
私達の反応に、当の本人は全く気づいてないんどけどね。
「...ううん。何でもない。紅茶を飲んだら勉強始めようか」
美樹に首を左右に振ってから、眞由美と可奈に声をかけた。
二人はそれで良いと頷いてくれる。
「いっただきます」
砂糖とミルクをたっぶり紅茶に入れた美樹は美味しそうにそれを飲む。
そして、片方の手を伸ばしてお菓子を次々と口に放り込んでいく。
お腹一杯になったら、勉強やりにくくなると思うんだけもなぁと思いつつ小さな溜め息をついたのは間違いない。