現実は小説よりきなり
「なら、今回からはもう調節しなくて良くない?」
とサラリと言って私を見た霞。
「あ...まぁ、もう十分に目立ってるからね」
と苦笑いする。
「そうだよ。霞の言う通りだよ、嵐ちゃん。本気だしていいよ」
と美樹。
「確かに二人の言う通りね。成績が良い方が進学にも影響するし。もう隠さなくて良くない?」
ね?と私を見る可奈。
「隠してる力あるとか羨ましぃ~」
眞由美に至っては論点がずれてるけど。
「皆の言う通りかもね。今回からは本気でテストに挑む。自分の実力も知っておきたいし」
二年生のこれからの成績で、進む大学も変わってくるしね。
もう普通じゃない今、バカげた成績操作なんて要らないね。
「これからは私達も居るから、自分を隠す必要はないのよ。何かあれば力になるし」
霞の言葉が凄く嬉しかった。
「ほんとほんと、強い味方居るんだからね」
特に私、と自分を指差した美樹。
ちょっと、不安になったのは気のせいじゃない様な...。
「私達も居るんだからね」
「そうだよ」
可奈と眞由美もテーブルに身を乗り出した。
「ありがと、皆。頼りにしてるよ」
自然と笑えたのは、皆の気持ちが嬉しかったからだよ。
友達って本当に良いね。
今度は友情を題材にした小説を書こうかな。
だって、私の周りにはこんなに良い友達が沢山居るんだもん。
いつか皆にも、本当の私の姿を伝える事が出来たら良いな。
今はまだ勇気がないけれど、近いうちに話せる様に頑張るよ。
「そろそろ、夕飯じゃない?今日の勉強はここまでにしようか?」
可奈の声に部屋の掛け時計に目を向けると18時を指していて。
「そうね。有意義な時間を過ごせたし。おしまいにしましょう」
霞が手元のノートをパタンと閉じる。
「やったぁ~終わりぃ」
と嬉しそうに背伸びしたのは美樹。
「疲れたぁ」
とシャーペンを置いたのは眞由美。
私はテキストと問題集を手早く片付ける。
「テストまでこのぐらい集中してやってれば、美樹も眞由美も良い成績が残せそうだね」
二人に笑って見せた。
「「えっ、毎日こんなの?」」
フフフ...声揃ってるし。
「当たり前でしょ」
と私の代わりに涼しげに返答した霞に、二人がガタッと肩を落としたのは言うまでもない。