現実は小説よりきなり







荷物を持った皆と一緒に、5階まで到着したエレベーターに乗り込んで一階を目指す。


「勉強しすぎてお腹空いた」

と美樹。


「あ、私も」

と眞由美。


この二人はなにげに気が合うと思う。


「夕飯を食べたらお風呂に肺ってゆっくりしたいわね」

と言った霞に、

「それは私も思います」

も可奈。

なぜか、同じ年なのに敬語だ。


「活字見すぎで目が痛い」

テキストの見すぎかも。

目頭を親指と人差し指で挟んでグニグニする。


「嵐は問題児達のお守りしてたもんね」

お疲れさまと付け足した可奈に、


「それって私達?」

「問題児なの?」

と眞由美と美樹が交互に言う。


「貴女達以外居ないでしょ」

バカねと霞は冷たい目を向けた。


「そんなに酷くないよ...多文」

多分って自信無さすぎだし、眞由美。


「テストの点は悪くても小説は読めるから」

といきなり話を脱線させてきた美樹。  

うん、自由人だよね。


「何の話よ?」

ほら、霞に軽蔑の瞳を向けられた。


「いや、だから、小説をね...」

と説明しようとして、霞の絶対零度の視線に語尾が消えていく美樹。


「あ、美樹ちゃん、小説って。もしかして携帯小説だったりする?」

空気の読めない眞由美はそんな話を美樹に振る。


「うん、そうだよ。眞由美ちゃんも読む?」

嬉しそうに眞由美に近寄った美樹はどうやら、霞からの冷たい視線は気付かない振りをするらしい。

ある意味勇者だ。


って言うか、嫌な方向に話が進んでる気がするのは気のせいじゃないよね?


ドキドキと変な感じの動悸がする。



< 109 / 123 >

この作品をシェア

pagetop