現実は小説よりきなり
時間も授業も進み、あっと言う間に昼休みになった。
教科書を綺麗になった机の中へとしまう。
ザワザワと騒がしくなる廊下。
悲鳴やざわめきはドンドンと近付いてくる。
凄く...嫌な予感するんだけど。
教室には迎えに来るのって美樹だよね?
まさか、琉希也君じゃないよね。
うんうん、違う違う。
一人で頷いてると、眞由美と加奈がやって来た。
「廊下、いつもより騒がしいね」
と廊下へ目線を向ける眞由美。
「まさか、迎えは古沢君とかじゃないよね?」
なんて困った声をだしながらも、加奈、顔がニヤついてるよ。
「...流石に彼もそこまで愚かじゃないよね?」
眞由美は相変わらず琉希也君を毛嫌いしてる。
私を守るためとは言え、彼と一緒に居ることに難色を示したしね。
「彼じゃ無いことを祈る」
と胸元で手を組んで祈るような仕草をした私の耳に一際大きな悲鳴が聞こえた。
「「キャー!古沢君よ」」
クラスメートの黄色い悲鳴にガクンと肩を落とす。
やっぱり来るんだ?
お迎えは美樹で良いのになぉ。
眉間にシワを寄せながら入り口に目を向けた。
教室の廊下側の窓は彼を人目見ようと、女子が身を乗り出していて。
他のクラスの女子まで来てるもんだから、廊下は飛んでもない事になってた。
「古沢君、来るんだ!」
瞳を輝かせる加奈、結構ミーハーなのよね。
「...チッ」
眞由美、そんなに顔を歪ませたら可愛い顔が台無しだよ。
普段は軽いノリの眞由美だけど、琉希也君達の事になるとブラックになるのよね。
ククク...結構面白い。
対照的な二人に笑みを浮かべてた私の耳に届く声。
「嵐、迎えに来た」
イケボイスの彼は周りを気にすることなく、ドアから部屋を覗き込んで私の名前を呼んでいた。
いやいや、もう少し考えようか!
ってか、私と目があった瞬間にコイコイと手招きするのも止めて!
「どういうこと?」
「どうして?」
ヒソヒソコソコソと囁き合う女子に溜め息が漏れた。
どうして彼が私なんかを!って驚きが顔に出てるよ、皆。
完全に悪目立ちしてる状況に、居心地が悪くなり重い腰を上げる。
「行ってくる」
心なしか低くなる声。
「ん、頑張ってね。何かされたら殴るんだよ」
眞由美の顔は本気だ。
「いってらっしゃい」
加奈は笑顔でヒラリと手を振る。